引きこもりですが、守ることだけは最強です!

「はぁ? 何これ?」

「ありえねぇだろ」

「そうよねぇ……ごめんなさいね」


お母さんは下を向いて落ち込む。

お母さんが落ち込むなんて……

私は焦って、お母さんに声をかける。


「だ、大丈夫だよ、お母さん。別の家で暮らすのは、ちょっと納得できないけど……」

「藍音……」


お母さんは、顔を上げる。

その目は少し潤んでいて、本気で落ち込んでいたことがわかった。

……どうしよう。

家から出たくないし、ずっとここにいたいし……

でも私が行かないと、多分お母さんとお父さんがクビになるし……

迷っていると、お母さんが気合をいれて言った。


「……私、頑張るわ。できるだけ暮らす期間を減らしてもらえるように交渉する」

「お、お母さん?」

「だからお願い……戻ってきていいって許可が出るまで、行ってきてくれないかしら?」


お母さんの目は本気で、迷っていた心が傾いていく。

……お母さんが、許可を取るまで。

それまでなら……頑張れるかな?