引きこもりですが、守ることだけは最強です!

「え? 私、明日から別の家で暮らすの?」

「そうなのよ……」

「む、無理だよっ!」


思わず叫んでしまう。

だってほとんど外に出たことがないのに、暮らすなんて……

無理に決まってる。


「それに私が家から出たら誰が家事をやるの?」

「それはなんとかするわ」

「なんとかするって……」


私はため息をつく。

そう言って、どうにもならなかったことが何回あったっけ。

でも、お母さんも仕方なく言っているのか、嫌そうだ。

そんなお母さんに、お姉ちゃんとお兄ちゃんが抗議する。


「それ、私たちがやるんじゃないわよね?」

「嫌だからな、俺たちは。藍音と離れて過ごすのなんて」

「そうよ、藍音と離れるなんてありえないんだから。どうして離れないといけないのよ?」

「そうねぇ……」


お母さんはため息をつくと、スマホをいじってこちらに向ける。

画面を見てみると、どうやら上からのお仕事みたいだ。

上というのは、お母さんとお父さんの上司。

能力の上司でもあって、命令は絶対だと言われている。