もくじ
第一章…体育の授業
第二章…スカイカラー
第三章…噂
第四章…決断
第五章…練習!
第六章…アプローチ(side夕)
第七章…本番!
第八章…いじめ…?

第一章…体育の授業
「おはよう!あお!」
そう元気に私に挨拶をしたのは、親友の砂海すいちゃん!
「おはよう!すいちゃん!」
私もすいちゃんの元気に応えるように、明るく挨拶をする。
「1時間目から体育なんて…本当に最悪…しかもダンス!あおはダンス上手いからいいよね〜」
そう。すいちゃんは大の体育嫌い。その中でもダンスが特に苦手。それの逆で私は体育が大好き。ダンスが一番得意。だから私は体育の授業がある日は大喜び!しかも今日はダンスだし!いい日だな〜と今日は何回も思っている。
「ホームルーム始めるぞ〜」
「あ、ヤバ、じゃまた後でね!あお!」
「うん!またね!」
ホームルームが始まるから、すいちゃんとはまた後でだ。
ついに体育の授業の始まりだ!
「じゃ、三人か四人のグループ作って、曲決めしてダンスを覚えたら先生に報告しに来い。」
「あお、一緒にやろ!」
すいちゃんが声をかけてきた。当然、私の返事は…
「うん!一緒にやろう!」
ダンスが授業内容の時は、必ずすいちゃんとやるって決めてるんだ!でも今日一緒にやる人数は三人か四人だ。どうしよう。
「あの、目空さん。一緒にやってもいいかな?」その時に声をかけてきたのは、クラスメイトの坂上くんだった。
「いいよ!一緒にやろう!」
坂上くんも一人みたいだし、一緒にやる分には大歓迎…なんだけど…。
「あお、いいの?男子だよ?」
すいちゃんがひそひそ声で話しかけてきた。そう。私は男の子が大の苦手。その上、声をかけられるのも触られるのもだめ。でも、坂上くんはなぜか他の男子から感じる変な視線を感じないし、影で私のことを悪く言っているような感じも無い。それに優しいし、怖いとか思わなかったし、むしろ救ってもらったというか…だから、普通に接するようにしている。そんな坂上くんなら他の男子のようなことはしてこないと思うし、別にいいかな。
「うん…なんだか坂上くんはあの時の男子と違う気がするんだ。あんな事はしない感じっていうか…それに、坂上くんも一人みたいだし、一人にさせるのはちょっと悲しいかな…」
私もひそひそ声ですいちゃんに話しかける。それに、もともと3人か4人だったから、地味子の私には声をかけてくれたほうが嬉しいんだよね。こんな私がみんなに声をかけたらなんでこんな地味子と?って思うに決まってるし。ゾワッ、妄想するだけで寒気がするよぉ…
「よかった…じゃあ、三人そろったし、さっそく曲を決めていこっか。」
ほっとしたように坂上くんが話を進めていく。
それから色々話し合った結果、曲はスクイムのスクイーズ!になったんだ!その曲は私の大好きな曲で、一番得意な曲なんだ!なんで好きかというと、私を元気づけてくれたアイドルの女の子、心葉ちゃんがセンターで歌って踊っている曲だから。この曲を見て元気がでたんだ。話し合いの中で私がこの曲を踊れるから、みんなに教えることに。う〜んうまく教えられるかなぁ…?だって、ダンス動画を見て独断で覚えただけなのに、教え方なんてわかんないんだよなぁ。
「目空さん、ここ少しわかんないかも。教えてくれるかな?」
「えーと、そこはそこは手の形をキツネにして…そうそう!うまくできてるよ!あとは…すいちゃん、大丈夫?」
そう。うまくできてるよと言った人は坂上くんで…すいちゃんはというと、全然できないよ〜といじけてしまっている。
「うぇ〜ん、あお〜できないよ、やっぱり私にはできないよ!」
「大丈夫だよ!すいちゃんもすぐできるようになるよ!」
「…本当?」
「うん!だって今までもダンス、頑張ってきたじゃん!」
「そっか…そうだよね、今までどおりに頑張ればできるよね!あおが言ってるんだし。ならやってみる!」
よかった…すいちゃんがやる気になってくれたみたいだ…その後、的確にすいちゃんが苦手な所(ほとんど全部だったけど…)ダンスを教えていくと…
「できた!できたよ!あお!やったー!」
そう!なんとあのダンスが苦手なすいちゃんがダンスを踊れたのだ!本当によかった!間に合って!そうしたらあと先生に報告すれば…。?なんか今視線を感じたような…キョロキョロとあたりを見回しても誰もいない。ま、いっか!私は駆け足で先生の元に駆け寄る。その後、先生に報告をし終えたんだけど…なんと、一番最初らしくみんなの前で踊ってやれと言われたんだ!予想外すぎる…でも、言われたからにはちゃんとやらないと!すいちゃんは少し不安そうだけどやる気だ。坂上くんは…少し余裕そう?まあ、すいちゃんよりダンスが得意そうだったし。それはそうなのかな?
「それじゃあ、はじめ!」
「「「〜〜♪〜♫」」」
えなにあれ、すご!ね!あんなにあおさんとかすいさんってダンスできたっけ…?夕くん、カッコイー!などなど、私たちを褒める言葉や、黄色い声など、いろんな声が上がっている。それはうれしいんだけど…さっきから、すご〜くクラスメイトの視線を感じてダンスに集中できない…!あれ、なんだかクラスメイトがいない方向から視線を感じる…いったいどこから…?と視線の正体を探すけれど、人だかりが多すぎて全然見つからない!いや、今はそれどころじゃない!みんなが見てるんだ!失敗できない!
「「「〜〜〜♫〜〜♪〜♫…」」」
よかった!最後まで失敗せずに歌って踊れた!すいちゃんは歌は得意だったみたいだからすごく上手だった。坂上くんもプロなのかな?と思うくらい上手でビックリした。わー!すごい!上手!なんであんなに上手なの!?夕くんカッコいい!と歌い終わり、さまざまな褒め言葉や黄色い声が…あはは…そりゃあ高難易度の曲を選んだんだからそうだよね…まあ、黄色い声は坂上くんがいるんだから当然だ。あれ?さっきまでの視線が消えてる…?気のせいだったのかな…?あんなにいっぱい人がいるんだし、視線くらい感じるよね!
「よし、もう少しで授業も終わるし教室に戻って次の授業の準備をしといてくれー」
はーいとクラスメイトが返事をする。
「行こう!すいちゃん!」
私はすいちゃんと一緒に帰ろうと誘う。
「うん!そうだあお、教室戻ったらトランプしよ!」
トランプ!久しぶりだし、やってみようかな!
「うん!やる!久しぶりだし、いろいろやってみようよ!」
私、神経衰弱とかぶたのしっぽとかやったこと無いんだよね!
「いいね!いろいろやったほうが面白いし、私も久しぶりなんだよね〜」
と、すいちゃんとの会話がはずむ。ふふっ、すいちゃんと話していると楽しいな!この時間がずっと続けばいいのに、と思ってしまう。そんなことを思っている間に、教室に着いた。教室に着けば、私たちが一番最後みたいだったらしく私のグループのダンス動画がテレビに映っていた。うぅっ!改めて見ると恥ずかしい…みんなの前で踊ったという実感が湧くと、改めて恥ずかしくなってしまう…。それにしても坂上くん、ダンス上手だなー!もしかしたら、私よりも上手かもしれない。?また視線がしていたような…あれっ!いつの間にか少しだけステップを踏んでいたみたい。あ…クラスメイトの中の数人がこっちを見てる…!この視線かな?あれ?視線が消えてる。あたりを見回してみると、ドアのところに誰かがいた。2人かな、誰だろう。もしかして先生に用事とか!?そうだとしたら大変だ。
「あのっ!先生に用事ですか?」
うわっ!イケメンだ!…誰だろう?うーん、どこかで見た気がするけど、思い出せない。
「あ、いや、先生に用事は無いんだ。ごめんね!それじゃ」
と、行ってしまった。もしかして授業の時の視線もあの人…?
「おーいあお!トランプやるよー!」
あっ!すいちゃんが呼んでる!そういえば帰ったらトランプするんだった!視線の推理に夢中で忘れてた。
「ごめんね!すいちゃん!トランプやろっか!
私は、すいちゃんの元に駆け足で駆け寄る。
「いいよ!別に十分放課じゃないし。