夏休みの自由課題について

だが……。
『し、死んでる！』
使用人の部屋から聞こえてきた悲鳴にかけつけると、布団の中で冷たくなっているマスコちゃんの姿があった。

眠っていたにもかかわらずその目は大きく見開かれ、顔は苦悶の表情に満ちている。

白くてきめ細やかな頬には十字がたの大きな傷があり、そこから流れ出した血はすでに固まっていた。

そしてその枕元にはなぜか割れた鏡の破片が、血の付いた状態で落ちていたのだ。

夫人が慌てて部屋に戻って隠していた鏡を棚から引っ張りだしてみると、それもまた同じように割れ、破片の一部がなくなっていたのだ。