夏休みの自由課題について

近年では大雨のときに備えて堤防が作られたりしているが、昔はそんなものはく大雨が振れば川は容赦なく水かさを増していた。

『みっちゃんみっちゃん! こっち!』

小学校から帰る途中、友人のこうちゃんが手招きされて僕は川へと近づいて行った。
ここ数日は天気がよくて水の流れもおだやかで、魚が背を光らせて泳いでいるのがよく見えた。

『小魚釣ろうか!』

こうちゃんの声は常に大きくていつも怒鳴っているように聞こえたけれど、それはこうちゃんの癖で、別に起こっているわけではなかった。

『いいね』

僕らは学校帰りのちょっとした寄り道場所にこの川を選び、草むらにこっそり手製の釣り竿を隠していたのだ。