スピードを落とした車が私の目の前で止まり、助手席からお母さんが出てきました。
「千恵美、こんな時間になにしてるの」

怒ったような心配したようなその声に全身から力が抜けていって、しゃがみこんでしまいました。
「ちょっと千恵美、大丈夫なの?」

お母さんの腕の中で糸が切れた人形のように気絶してしまったのです。