昼間水島さんのおばあちゃんから老婆が徘徊しているという話を聞いてから帰宅し、ひとりでテレビゲームをしていたときのことでした。

「お母さん?」
窓へ向けて声をかけてみても返事はありません。

今日も両親は帰りが遅いけれど、そろそろ戻る時間のはずですが……。
そっと窓へ近づいて行ったときレースのカーテンの向こうに人影が見えました。

それはとても小さな人で、腰が曲がっているように見えます。
突然生枝さんから聞いた話がよみがえってきて全身から血の気が引いていきました。

テレビからはゲームの軽快な音楽が流れ続けていますが、その音が急にゆがんだような気がして振り返りました。