「うん。学校の七不思議みたいな話を知らない?」
突然そんなことを質問されても困るかもしれませんが、ふみちゃんは少し考える様子を見せただけで「あるよ」と、答えてくれました。

「本当!? 教えてくれない?」
私は持参したノートと鉛筆を取り出してテーブルの上に広げて言いました。

ふみちゃんはそれをチラリと見てすぐに宿題だと察してくれたみたいです。

「本当に知りたいかい?」
「うん、知りたい!」
「怖い話だよ?」

含みのある声色で言われて私は一瞬返事に詰まってしまいました。
でも私ももうそこまで子供じゃありません。

「も、もちろん、大丈夫だよ」
と、答えたんです。