夏休みの自由課題について

その声に併せて食器や家具が飛び回る。
どれだけ身を小さくしていても、食器が割れた破片が一さんの腕や足に突き刺さった。

『殺してやる!!』
男の声がひときわ大きく聞こえてきた直後だった。

シンクしたの引き出しがひとりでに開いて、錆びた包丁が浮かんできたのだ。
まずい!!

そう感じた一さんは入ってきた方向へ一気に走った。
細い抜け道からどうにかして外へ飛び出したとき、後方の壁に包丁が突きたつドスッという音が響いた。

一さんはもう振り替えることなく一目散に森から抜け出したのだった。

☆☆☆

「これがその時の傷なんだ。一か所だけ破片が深く突き刺さってね」