この小屋はあちこち穴空きだらけだから、ネズミや野良猫でも入り込んだんだろう。
そう思って上半身だけ起こして小屋の様子を確認する。

するとまたカタンと小さく音がした。
どうやらキッチンから音がしているみたいだ。
一さんは立ち上がり、キッチンへと向かった。

その間にもカタン、コトンと物音は聞こえ続けている。
一体どんな大物が入り込んでいるんだ?
一さんがシンクを覗き込んだそのときだった。

シンクの中に重ねられていた汚れた皿が突如飛び出してきて、一さんの顔のすぐ横をかすめたのだ。
『うわ!!』

驚いてその場に尻もちをついた一さんの後方で皿が落下して割れる。