小さなキッチンを確認してみると、誰かが使っていたであろう鍋やヤカンの類がそのまま残されていた。

二人かけのテーブルと椅子は今でもちゃんと使えそうだ。
壊れはしないかと恐る恐る椅子に座ってみると、椅子はギシギシと音を立てながらもどうにか、持ちこたえた。

室内にはほこりが積もっているけれど、掃除をすれば使えそうだ。
いい場所を見つけたな。

そう思った一さんは授業で使うために持ってきていた体操着に着替えて床に直接寝ころんだ。
目を閉じてみればほこりっぽさもじきに気にならなくなった。

しばらくウトウトとした時間を過ごしたとき、コトンッと小さな物音が聞こえてきて目が覚めた。