この日も学校へは行かず、そのままお気に入りの森の中へと向かった。
学校裏にある森は小さく、子供でも入って遊ぶような場所だった。

だけど日中は人が来ないので木陰に座ってぼんやりするのが好きだった。
学校をさぼるだけで、別に悪さをするわけでもないので本人にも罪悪感はなかったようだ。

今日もいつものように森の中へ入って行って時間を潰そうと考えていた一さんだったが、眼前に古い家屋が出現して足を止めた。

『なんだ? こんなところに廃墟なんかがあったのか?』

今日は気分を変えていつもの細いけもの道ではなく、人の歩いた形跡のない場所から森の中へ入ってきた。

そのため、見たことのない廃教に遭遇したみたいだ。