──きっかけは、好奇心だった。

 古都の夜道、遠くから聞こえる怒声と銃声。

 怖いと思いながらも、足が勝手にそっちへ向かっていた。

 あの場所で、“彼”に出会わなければ──

 私の世界は、きっと今も平凡だった。


 ──これは、非現実を“名前”に持つ男と、

  そこに“惹かれてしまった”少女の物語。