*
「ねえ、ゼイン、あれはいったいどういうことなの?」
あれから会議が始まったがなんとか無事に終わり、エリシアが王城内にある自分の部屋に戻ってくると、すぐにゼインに詰め寄った。だが、ゼインはエリシアを見ず、何も言わない。
「前から護衛騎士を辞めるように言われていたの?縁談話も来ていたって……どうして何も言ってくれなかったの?どうして相談してくれなかったの?言ってくれたなら私――」
エリシアがそう言った瞬間、ゼインはエリシアの両肩をぐっと掴んでエリシアを見つめる。それは不安と怒りが入り混じった瞳で、エリシアは絶句した。
「相談したら、エリシア様は俺を護衛騎士から外すんですか?俺を、手放すのですか?」
ギュッとエリシアの肩を掴む力が強くなる。何も言えないエリシアに、ゼインは目を細めると、両手を離してエリシアに背中を向けた。
「俺はエリシア様に全てを捧げています。それはこれからも変わりません。誰が何と言おうと絶対にです。ですので、この話はこれで終わりです」
「でも……」
「それにしてもあの貴族たち、聖女の力を使うことがどれだけ聖女の体に負担をかけるのか知りもしないで……!エリシア様の体は回復が追い付かないほどボロボロなのに、任務の翌日にやれ会議だ、懇親会だとどうでもいいことで呼び出しやがって、許せない」
そう言ってゼインは振り返ると、エリシアの両手を掴んでエリシアの顔を覗き込む。ゼインの若草色の瞳は、ユラユラと熱い何かが揺らめいていて、怖いほどなのになぜか視線を逸らせない。
「エリシア様を一番理解しているのは俺だけです。誰がどう言おうと、エリシア様が聖女としていつも頑張ってらっしゃることを知っています。そんなエリシア様を、俺は何があってもこれからもずっとお守りします。この命にかけて」
そう言って、エリシアの手の甲に小さくキスを落す。そして、優しく微笑んだ。
「ねえ、ゼイン、あれはいったいどういうことなの?」
あれから会議が始まったがなんとか無事に終わり、エリシアが王城内にある自分の部屋に戻ってくると、すぐにゼインに詰め寄った。だが、ゼインはエリシアを見ず、何も言わない。
「前から護衛騎士を辞めるように言われていたの?縁談話も来ていたって……どうして何も言ってくれなかったの?どうして相談してくれなかったの?言ってくれたなら私――」
エリシアがそう言った瞬間、ゼインはエリシアの両肩をぐっと掴んでエリシアを見つめる。それは不安と怒りが入り混じった瞳で、エリシアは絶句した。
「相談したら、エリシア様は俺を護衛騎士から外すんですか?俺を、手放すのですか?」
ギュッとエリシアの肩を掴む力が強くなる。何も言えないエリシアに、ゼインは目を細めると、両手を離してエリシアに背中を向けた。
「俺はエリシア様に全てを捧げています。それはこれからも変わりません。誰が何と言おうと絶対にです。ですので、この話はこれで終わりです」
「でも……」
「それにしてもあの貴族たち、聖女の力を使うことがどれだけ聖女の体に負担をかけるのか知りもしないで……!エリシア様の体は回復が追い付かないほどボロボロなのに、任務の翌日にやれ会議だ、懇親会だとどうでもいいことで呼び出しやがって、許せない」
そう言ってゼインは振り返ると、エリシアの両手を掴んでエリシアの顔を覗き込む。ゼインの若草色の瞳は、ユラユラと熱い何かが揺らめいていて、怖いほどなのになぜか視線を逸らせない。
「エリシア様を一番理解しているのは俺だけです。誰がどう言おうと、エリシア様が聖女としていつも頑張ってらっしゃることを知っています。そんなエリシア様を、俺は何があってもこれからもずっとお守りします。この命にかけて」
そう言って、エリシアの手の甲に小さくキスを落す。そして、優しく微笑んだ。



