かりそめ婚は突然に 〜摩天楼Love Story〜

ティト! と透さんが呼ぶと、尻尾を振り振り戻ってきた。
むむむ…わたしの言うことはあまり素直に聞かないのに。賢い犬種なだけあって、相手をみてちゃんと態度を使い分けるところはさすがだ。

ちなみにティトはバイリンガル教育を受けており、「いい子いい子」でも「good boy」でも通じる。
ティトに負けてられないなあ、とふさふさの毛を撫でる。

トモミ先生もノーマンもサポートチームのメンバーも、誰もがよりよい道を探し試行錯誤を続ける日々だった。
小さな挑戦を続ける日々でもあった。

ノーマンは今のアパートから二ブロック離れた場所にエレベーター付きの物件を見つけて、さっそくティトと引っ越した。
トモミ先生の右肘の手術は無事終了し、ボルトとプレートで固定された。とはいえ腕はギブスで覆われて、動かせないことに変わりはない。指先は使えるようになったけれど力は入らず、動かすと痛みが走るという。

それでも本人の強い希望と、サポートチームの協力で、先生は記録破りの早さで退院することになった。