かりそめ婚は突然に 〜摩天楼Love Story〜

コンニチハ、アリガト、とカタコトの日本語を混ぜて、ティトのリードを託される。

ティトはシェルティーという愛称でも知られるシェットランドシープドッグという犬種の四歳の男の子だ。
中型犬だが、シープドッグの名のとおり牧羊犬なので運動量は多い。毎日たっぷり一時間は散歩や運動をしてやる必要がある。

彼らが住むグリニッチ・ビレッジにあるワシントンスクエア・パークという美しい公園にいつもティトを連れていった。
人懐っこいティトはわたしが相手でも楽しそうに駆けている。見失ってしまうのが怖くて、わたしはリードを放して遊ばせてやることができなかった。
本当はボール遊びでもできたらいいのだけど。

その分、時間をかけて一緒に歩いて走って回った。
トモミ先生のレッスンを受けることはできなくなったけど、ティトのおかげでいい運動ができている。

ある週末には、透さんも一緒にティトの散歩に行った。
彼の機転で、ティトの首輪にスマホで位置情報を確認できるスマートタグを付けたので、リードを放して自由にさせてやることができた。

「ああ、もっと早くこうすればよかった」
嬉しそうに走り回るティトを眺めて後悔の言葉が漏れる。

「明日から変えればいいんだ。もしかしたら桜帆みたいに、心配でリードを持ちっぱなしのメンバーもいるかもしれない。こういう小さなライフハックもシェアしてみるといい」