かりそめ婚は突然に 〜摩天楼Love Story〜

支援の輪は続々と広がった。

ヨガとピラティスのクラスの生徒は圧倒的に女性が多い。
彼女たちだけでなく、話を聞いたパートナーや家族や友達までもがサポートチームに加わってくれるのだ。わたしの場合は櫂さんがそうであるように。
最終的にグループアカウントのメンバーは三十人を超えた。
いくらボランティアが盛んなお国柄とはいえ、ここまで人が集まるのはやはりトモミ先生の人徳だろう。

ノーマンは率直で簡潔な言葉で、妻がレッスンスタジオの運営会社を通して、かなりカバー範囲の広い団体保険に加入していること、自分が仕事を続けられれば経済的な問題は切り抜けられるだろうと綴っていた。

アメリカ的だと感じたのは、『トモミのトラウマ解消のために、退院までにエレベーターのあるアパートに引っ越したい』と希望したことだった。
多くの人が賛意を示し、なかには『不動産会社に知り合いがいるから、紹介しましょうか?』とさっそくコメントする人もいる。

じっと耐えて困難が過ぎ去るのを待つのは彼らのメンタリティには合わないみたいだ。
出費がかさむのは承知で、自分たちの心と身体が望むことを第一に、なのである。