かりそめ婚は突然に 〜摩天楼Love Story〜

明らかにボールは勢いを増し、コーナー深くライン際を狙って突き刺さる。
ラリーは粘り強く続く。

できる人というのは、なにをやらせてもすぐに一定以上のレベルに達してしまうみたいだ。
テニスと違ってサーブをアンダーハンドで打つルールなので、そこが櫂さんのウィークポイントのようだ。オーバーハンドサーブに自信があったらしい。

第二セットも攻守にバランスのいい試合運びで透さんがものにした。

しかし、第三セットに入るとテニス経験がある櫂さんのテクニックがピックルボールと噛み合ってきたのか、がぜん動きがしなやかに機敏になってきた。
結局第三セットは、8-11で櫂さんが制した。
勝負は第四セットにもつれこんだ。

二人とも息が上がり、ひたいには汗の玉が浮いている。
白熱した試合を繰り広げる二人に、周囲のコートの人たちが手を止めて見入ったり、歓声を送ったりしてくれる。
そのへんのノリはいかにもアメリカだ。

わたしは手に汗握りながら、得点ボードをめくり続ける。