かりそめ婚は突然に 〜摩天楼Love Story〜

それでピックルボール。
そして大真面目に応じる弟。男の人の考えることは、ときによく分からない。

ピックルボールがどんな競技かというと、テニスと卓球の中間のような、と表現されることが多い。
卓球のラケットを大きくしたようなパドルと呼ばれるラケットで、ピンポン球より大きく表面に穴が空いているのが特徴のボールを打ち合う。
コートはテニスコートより狭いが、ルールは基本的にテニスと同じだ。

空いたぞ、と透さんが立ち上がる。
「桜帆、審判(アンパイア)をしてくれ」

お互い未経験者。兄弟だけに体格や身体能力は同じレベルと考えていいだろう。この場合、勝負にかける気持ちが強いほうが勝つということだ。

「2セット先取にしよう。最初のセットは感覚をつかむための準備運動だから、ノーカウントで」
てきぱきと透さんが決め、櫂さんは「OK」と諾々と従う。

ちなみに1セット11点で、10対10になった場合は2点差がつくまで延長というデュースのシステムもテニスと同じだ。