かりそめ婚は突然に 〜摩天楼Love Story〜

クリスマスには二人で教会に行って、讃美歌を聴いた。クリスチャンではないけれど、宗教美に触れるのも心満たされる体験だった。

夜はローストチキンとワインのクリスマスディナーをゆっくりと楽しむ。

「美味いな、これ。また腕を上げたんじゃないか」
透さんがチキンを頰ばって声をあげる。

「あはは、上げたのは材料のほうなの。地鶏だから、やっぱり味が濃いね。バターを塗ってオーブンで焼いたんだけど、バターもフランス産の輸入品でぜいたくしちゃった」
やはり味に差がつく。

「いや素材を活かすのは料理人の腕だ。クリスマスにチキンは定番だけど、だからこそ雰囲気が出ていいな」
ワインを口にして満足そうだ。

ディナーの後はプレゼント交換だ。

わたしから透さんへのプレゼントは、カシミヤのマフラーを選んだ。ブルーグレーの絶妙な色合いととろけるような肌触りの良さが決め手だった。
「嬉しいな。ニューヨークの冬は寒いから、これでいつも首元を暖かくしていられる」と喜んでくれた。

それから透さんが書斎に隠していた紙袋を気恥ずかしそうに渡してくれた。かなりの大きさがある。
何だろう?