「辻原桜帆さん」
名を呼び、こちらを見据えてくる一対の双眸からは、感情が読み取れない。
なんの用件だろうか。固唾をのんで彼の言葉を待つ。
「俺と、結婚してもらえないか」
はい? 今なんとおっしゃいました!?
身体も頭も硬直するわたしをよそに、目の前にいる男性、久我透は、あくまで落ち着きはらっていて。
「あの…久我常務、それはどういう…」
ようやく言葉をしぼり出す。
「ああ、つまり———」
彼はまるで経営戦略を語るようによどみなく話し始めたのだった。
名を呼び、こちらを見据えてくる一対の双眸からは、感情が読み取れない。
なんの用件だろうか。固唾をのんで彼の言葉を待つ。
「俺と、結婚してもらえないか」
はい? 今なんとおっしゃいました!?
身体も頭も硬直するわたしをよそに、目の前にいる男性、久我透は、あくまで落ち着きはらっていて。
「あの…久我常務、それはどういう…」
ようやく言葉をしぼり出す。
「ああ、つまり———」
彼はまるで経営戦略を語るようによどみなく話し始めたのだった。


![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)
![he said , she said[1話のみ]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1740766-thumb.jpg?t=20250404023546)