✿*:
「……おい、説明しろ。誉」
「え?何を?」
目の前で、お弁当を美味しそうに食べるこの男。
「なんで彼女がここに居る」
小声で尋ねると、誉は目を丸くして。
「何でって誘ったからだよ。俺と二人きりよりいいだろ」
「……」
もう、何も言えない。
「誉。天宮くんに迷惑かけないの」
「そうだよ」
「杜希、亜希まで……」
「天宮くん、迷惑なら言うんだよ」
「祇綺(シキ)さん!?」
……幼なじみ達からは信用がないのか、口々に言われる誉。
「なんで俺がここにいるのか、本当にわかんないんだけど」
そう誉に言うと、
「俺がいて欲しいからー」
と、にこやかに返された。
「一緒にご飯、嫌だった?」
……ああ、もう。あんま関わりたくないのに。
傷付くのも、面倒事もごめんなのに、誉が転入してきてから、何もかもがおかしい。
上手くいかないというか、ペースに呑まれている。
フェンスに背中を預けると、近付いてきた彼女。
「いや、なんで俺、ここにいるのかなーって」
「誉が無理言った?」
「引きずられてきた」
「そっか。杜希と亜希は厳しいから、仲間が欲しかったのかな。私や祇綺は分かってあげられない悩みもあるから」
「?」
凛空は話を聞きながら、違和感を覚えた。
なんだろう。今の彼女の言葉の─……。
「─あ、そっか。亜希、女の子の格好してるもんね。亜希はね、男の子だよ」
彼女はそんな凛空の様子に気づいて、教えてくれた。けど。
「……はい?」
─ちょっと意味が理解できなかった。
勿論、そんなのは個人の自由だが、長髪に女子と同じようにスカートの制服を着ていて、その顔は男達の間で美人と噂され、昼夜、狙われていたりする。そんな彼女が、彼。
「それとね、別に杜希と亜希は双子でも、兄弟でもないの。間違われやすいけど、本当にただの幼なじみなんだよ」
「幼なじみ」
「そう。亜希は母親に似てるから……」
誉に聞いた話だが、彼らは本当に文字通り生まれた時から一緒にいるという。
だからだろう。彼女が彼らに詳しいのも。
そんなの、全然嫉妬するようなものじゃない。
そもそも、彼女は俺のものじゃない。
「……おい、説明しろ。誉」
「え?何を?」
目の前で、お弁当を美味しそうに食べるこの男。
「なんで彼女がここに居る」
小声で尋ねると、誉は目を丸くして。
「何でって誘ったからだよ。俺と二人きりよりいいだろ」
「……」
もう、何も言えない。
「誉。天宮くんに迷惑かけないの」
「そうだよ」
「杜希、亜希まで……」
「天宮くん、迷惑なら言うんだよ」
「祇綺(シキ)さん!?」
……幼なじみ達からは信用がないのか、口々に言われる誉。
「なんで俺がここにいるのか、本当にわかんないんだけど」
そう誉に言うと、
「俺がいて欲しいからー」
と、にこやかに返された。
「一緒にご飯、嫌だった?」
……ああ、もう。あんま関わりたくないのに。
傷付くのも、面倒事もごめんなのに、誉が転入してきてから、何もかもがおかしい。
上手くいかないというか、ペースに呑まれている。
フェンスに背中を預けると、近付いてきた彼女。
「いや、なんで俺、ここにいるのかなーって」
「誉が無理言った?」
「引きずられてきた」
「そっか。杜希と亜希は厳しいから、仲間が欲しかったのかな。私や祇綺は分かってあげられない悩みもあるから」
「?」
凛空は話を聞きながら、違和感を覚えた。
なんだろう。今の彼女の言葉の─……。
「─あ、そっか。亜希、女の子の格好してるもんね。亜希はね、男の子だよ」
彼女はそんな凛空の様子に気づいて、教えてくれた。けど。
「……はい?」
─ちょっと意味が理解できなかった。
勿論、そんなのは個人の自由だが、長髪に女子と同じようにスカートの制服を着ていて、その顔は男達の間で美人と噂され、昼夜、狙われていたりする。そんな彼女が、彼。
「それとね、別に杜希と亜希は双子でも、兄弟でもないの。間違われやすいけど、本当にただの幼なじみなんだよ」
「幼なじみ」
「そう。亜希は母親に似てるから……」
誉に聞いた話だが、彼らは本当に文字通り生まれた時から一緒にいるという。
だからだろう。彼女が彼らに詳しいのも。
そんなの、全然嫉妬するようなものじゃない。
そもそも、彼女は俺のものじゃない。


