君の未来に、ぼくがいたこと。

夏の暑さがまだ残る朝。
陽翔はいつものように笑顔を作り、カメラの前に立った。

「今日で最後の撮影だ。みんな、頑張ろう!」
陽翔の声は震えていたけれど、誰も気づかなかった。

結月が小声で凛空に囁く。
「陽翔、すごく疲れてる……でも、頑張ってる。」

凛空もうなずいた。
「俺たちが支えるしかない。絶対に最後までやりきろう。」



撮影が進む中、陽翔は何度も胸を押さえ、息を整えた。
「大丈夫、ちょっと休むだけだから……」
そう言いながらも、体は限界に近づいていた。

「監督、少し休んだほうが……」
結月が心配そうに声をかける。

陽翔は笑顔を返した。
「ありがとう。でも、今は絶対に止まれないんだ。」



だが、その時――

「……あっ……」

陽翔の視界が急にぼやけ、ふらつきが激しくなる。

「陽翔!? 大丈夫か!」
凛空がとっさに腕を掴む。

「……ごめん……」
陽翔は小さな声で呟き、崩れ落ちた。

「陽翔!!」
結月が駆け寄り、泣きそうな声で叫んだ。



スタッフも慌てて駆けつけ、撮影は中断。
救急車が呼ばれ、陽翔はすぐさま病院へと運ばれた。

結月は手を握りしめ、凛空と肩を寄せ合う。

「……こんな終わり、いやだ。まだ、終わってほしくない。」

凛空も涙をこらえながら言った。
「絶対に、陽翔を救う。絶対に!」

サイレンの音が遠ざかっていく中、三人の想いが交錯した。