君の未来に、ぼくがいたこと。

夜の神社。屋台の明かりが揺れて、浴衣姿の人々が笑い声をあげている。
人混みの中、陽翔・結月・凛空の3人は並んで歩いていた。

「うわ、チョコバナナある!買っていい?」
結月が浴衣の袖をひらひら揺らしながら声を弾ませる。

「いいよ、俺も食べたいし」
凛空が財布を取り出そうとすると、陽翔が笑いながら手を止めた。
「ここは“監督”の奢りってことで」

「おお、かっこいいじゃん、陽翔!」
「えー、じゃあ全部奢ってもらおうかな?」
結月と凛空が冗談を言い合いながら笑い合う。

――そして、祭りの喧騒の中を抜け、3人は川沿いの土手へ。
少し離れた場所に腰を下ろして、夜空を見上げる。

「始まるよ」
陽翔が静かに呟いたその時、
――ドンッ!
夜空に大輪の花が咲いた。

ぱぁっと照らされる三人の顔。
色とりどりの光が、時間さえ止めるように美しく輝いていた。

陽翔は、ふと夜空から視線を落とし、ぽつりと呟く。

「……一生分の思い出を、今つくってるんだと思う。」

結月と凛空が顔を向けた。

「限られた時間でも、こんなふうに誰かと笑って、誰かを大切に思えることが……もう、奇跡みたいでさ。」

その言葉に、結月の目に涙が浮かぶ。
でも、彼女はその涙をぬぐいながら、笑った。

「ねえ、陽翔。まだ“思い出”にしないで。だってこれ、まだ“今”でしょ?」
「これからも、まだ続くから。続けよう? もっと、もっと笑おう?」

陽翔は結月のまっすぐな笑顔に見入って、小さく頷いた。

「……うん。ありがとう、結月。」

凛空も言葉を重ねた。
「俺たち、まだ途中だろ? ゴールなんて、自分たちで決めればいいんだよ。」

花火が次々に夜空に咲いていく。

3人は並んで腰を下ろし、肩を並べて笑いながら――
同じ空を、同じ時間を、同じ思いで見上げていた。

その瞬間、彼らの心は確かに、誰よりも深く結ばれていた。