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ガラス張りの天井から夏の日差しが差し込む。
夏の日差しを受けて、キラキラと輝く空中庭園内にある管理された雄大な自然はとても綺麗で美しかった。
さらにここは空調も効いている為、外とは違い、ちょうどいい気温だ。
そんな空中庭園内の奥にウィリアム様はいた。
私たちが見つけたウィリアム様は、私との約束なんて最初からなかったかのように、ハンモックの上で気持ちよさそうにすやすやと眠っていた。
…何と腹立たしいことか。
こちらは暑い中ウィリアム様を待ち、その後、疲労感を感じながらもやっとの思いで、ウィリアム様を見つけたというのに。
「ウィリアム様、起きてください」
私は寝ているウィリアム様に近づくと、容赦なくウィリアム様の肩を掴んで揺らした。
ハンモックに乗っているだけあってよく揺れる。
「…ん。レイラ?」
私に揺さぶられて、ウィリアム様はとても眠たそうにゆっくりとまぶたを開けた。
ウィリアム様の黄金の瞳が私を捉える。
「…あぁ、レイラ。おはよう」
私がいることに気がついたウィリアム様は嬉しそうに私に微笑んだ。
それから上半身だけ起こし、そっと私の髪をどこか愛おしげに優しく撫でた。
ウィリアム様の甘すぎる言動に不覚にも心臓が跳ねる。
王子様のような見た目にこんな甘い仕草なんて反則だ。



