「ふふ」
ふと、頭の上からウィリアム様の楽しそうな笑い声が聞こえる。
どうしたのかと顔をあげれば、美しいウィリアム様の黄金の瞳と目が合った。
「…何か面白いものでもありましたか?」
おそらく私を見て笑っているウィリアム様に私はそう質問してみる。
すると、ウィリアム様はその瞳をスッと細めた。
「そうだね。あったね」
クスクスと笑いながらこちらを何故か愛おしげに見つめるウィリアム様に訳がわからず首を傾げる。
何がそんなに面白いのか。
そして何故、そのような慈愛に満ちた瞳を私に向けるのか。
よくわからなかったが、私はまた考えることをやめた。
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花の周りをふわふわと舞う蝶々もどこか特別な感じがする。
普通の蝶々とは違う輝きを感じるのはここの花の蜜で生きているからなのだろうか。
それとも太陽の光を浴びて輝いているのか、単に花の輝きを受けて輝いて見えるのか。
夢中になってここの観察を続けて数分。
私はずっと1人でただただこの幻想的な景色を楽しんでいた。
正直、ウィリアム様に絡まれず、この景色をただただ楽しめる今の状況は有り難すぎるし、楽しすぎる。
ウィリアム様の顔色を伺わなくていいとはなんて気が楽なのだろう。



