「…どうしたんだ?」
突然様子のおかしくなった私をセオドア様がほんの少しだけ怪訝そうに見つめる。
それと同時に私の口いっぱいに血が溢れた。
「…っ」
たらりと口いっぱいに溢れてしまった血が口の横から垂れる。
ここまでの毒だったとは。
そう思った頃には視界が突然ぐわんぐわんと大きく揺れ始め、その場に座っていられなくなった。
ガシャンッ!とお菓子たちが並べられている机へと体が倒れる。
「おい!大丈夫か!おい!」
そんな私を見てセオドア様は慌てて席から立ち、私の元へと駆け寄ってきた。
ぼんやりとした視界と意識の中、セオドア様の必死な顔だけが何となく私の世界に広がっている。
これはいつものセオドア様の毒でしょ?
何で毒を盛った張本人がこんなにも焦っているの?
まさかこんな殺しそうなほど強力なものだとは思わなかったとか?
そんなことを思いながらも私は意識を失った。
最悪死んだら幽霊になって、セオドア様を呪ってやる。



