・・・・・・。


 不老不死?え、え、え。虹羽ちゃんが?


 混乱する私を前に、虹羽ちゃんはすらすらとよどみなく言う。まるで、あらかじめ台本を暗記していたような、そんなしゃべり方だった。


「わたしが生まれたのは、1903年。わたしは18歳くらいから見た目が変わらなくて、そして生まれてから100年以上経った今も死んでなくて、だからつまり、不老不死なの」


「え、え・・・・・・」


 突然の告白に、わたしは戸惑うことしか出来ない。


「むかし、死のうと思って、さしたんだよ」


「何を?」


「心臓に、包丁を」


 ・・・・・・想像しただけでぞっとしてしまう。私はより一層強くノートを抱き締めた。


「でもね、死ねなかった。痛いは痛いんだけど、死ねなかったの」


「そうなんだ・・・・・・」