あ、そうだ。とりあえず、忘れ物、ゲットしなきゃ。


さっき座っていたところの机に腕を突っ込む。


お、あったぞ、私のノート。


ノートを胸元に抱きしめながら、虹羽ちゃんをちらりと見る。虹羽ちゃんは相変わらず窓の外を見つめている。


もしかしたら、虹羽ちゃんは一人になりたい気分なのかもしれない。だとしたら、わたしは虹羽ちゃんの時間を邪魔してしまったことになる。


虹羽ちゃんとふたりっきりになれる機会なんてそうそうないし、もうちょっとおしゃべりしたかったけど、もう出ていくか。うん、そうしよう……と自己完結した時だった。


くるりときびすを返したわたしに、虹羽ちゃんが言葉をこぼす。


「ねぇ、浅井さん。浅井さんは、不老不死って、信じる?」


***