そう、わたしが選択科目として世界史を選んだのは、大好きな存在である虹羽ちゃんが世界史を選んでいたからだ。当然だけど、同じ科目を選べば同じ授業を受けられる。つまり、一緒にいられる時間が増えるってこと。


わたしが虹羽ちゃんをだいだいだーい好きなのは、もはや学年中に知れ渡っていると言っても良い。わたしがことあるごとに虹羽ちゃんの良さを布教していたからだ。


わたしは顔を真っ赤にしながら再び椅子に座る。開け放たれた窓から初夏の少し蒸し暑い風がふわりと舞い込んで、虹羽ちゃんのきれいなポニーテールを軽やかに揺らしていた。


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