そんな会話を交わしていたときだった。
ーーーどすん!
ものすごい衝撃。
「わっ」
わたしも虹羽ちゃんも、座っていたのにもかかわらず、体のバランスを崩した。
『お客様にご案内申し上げます。ただいま、急ブレーキをーーー』
車掌さんのアナウンスを聞き、ああ、急ブレーキをかけたのか、と納得する。
あれ、でも、さっきのどすんという音はなに?
わたしの心を見透かしたかのように、
「飛び込み事故だよ」
と虹羽ちゃんが言った。
「いま、だれかの人生が終わったの」
「・・・・・・」
「死のうと思えば死ねるって、いいね。気楽で」
「そういうこと言うのはよくないよ、虹羽ちゃん。飛び込んだ人には飛び込んだひとなりの辛い気持ちがあったんだよ」
「どうして浅井さんは死んだ人に寄り添うの?」
「どうしてって」
「わたしの方がよっぽど辛い思いしてるよ。死にたくても、死ねないんだよ」
虹羽ちゃんの言葉は重い。
わたしは言い返せなかった。
ーーーどすん!
ものすごい衝撃。
「わっ」
わたしも虹羽ちゃんも、座っていたのにもかかわらず、体のバランスを崩した。
『お客様にご案内申し上げます。ただいま、急ブレーキをーーー』
車掌さんのアナウンスを聞き、ああ、急ブレーキをかけたのか、と納得する。
あれ、でも、さっきのどすんという音はなに?
わたしの心を見透かしたかのように、
「飛び込み事故だよ」
と虹羽ちゃんが言った。
「いま、だれかの人生が終わったの」
「・・・・・・」
「死のうと思えば死ねるって、いいね。気楽で」
「そういうこと言うのはよくないよ、虹羽ちゃん。飛び込んだ人には飛び込んだひとなりの辛い気持ちがあったんだよ」
「どうして浅井さんは死んだ人に寄り添うの?」
「どうしてって」
「わたしの方がよっぽど辛い思いしてるよ。死にたくても、死ねないんだよ」
虹羽ちゃんの言葉は重い。
わたしは言い返せなかった。

