それは突然の提案だった。


「浅井さん。一緒に、海に行かない?」


校門にあと少しでたどり着くくらいのところで、虹羽ちゃんがそう言った。


「・・・・・・ここから海って、一時間以上はかかるよ。授業に遅れちゃう」


あははっと笑う虹羽ちゃん。


なにがそんなにおかしいんだろう。


「ねえ、浅井さんはわたしのこと殺してくれるんだよね?」


「・・・・・・」


わたしは小さくうなずく。



「じゃあさ、もう今更、授業に遅刻するくらいどうでもいいじゃん。だって浅井さんは、殺人犯になるんだから」


・・・・・・。


反論できないわたし。