「ごめん!違うの!」


「なにが違うの?」


虹羽ちゃんが、振り返る。


いつもとは違う重低音に、わたしの体はこわばる。


言い訳もできず、わたしはうつむく。


「・・・・・・ごめん」


「悪いって、思う?」


「思う。本当に、ごめん」


そうだよ、わたし。虹羽ちゃんが嘘をつくわけないじゃんか。


すると、虹羽ちゃんがわたしをぎゅっと抱き締めた。


「ねえ、浅井さん。悪いと思うなら、お詫びに、わたしのお願い聞いてくれるよね」


うん、と答えてから、わたしはもう引きかえせない契約をしてしまったことに気付いた。


「お願い。わたしのこと、どうにかして、殺して。わたしを、救って」