「これから現代史に入るぞー。まずはきみたちがいま生きている、21世紀の歴史について概観しよう」
いまは六時間目、世界史の授業中。
わたし、浅井乃愛は、あくびをかみ殺しながら、教科書に視線を落としていた。
世界史は、正直言って苦手。カタカナが多くてなかなか覚えられない。それでも、わたしがわざわざ日本史ではなく世界史を選択したのには理由がある。それは……。
「浅井、また佐藤の方見てたな!」
「えっ!?」
ガタッ。先生に名指しされ、思わずわたしは椅子から立ち上がる。斜め前の席の佐藤虹羽がわたしの方を見てくすくすと笑っていた。クラスのみんなも「本当に乃愛は佐藤さんが好きねー」と爆笑。
曖昧に笑いながら、頬を人差し指で軽く掻く。は、はずかしい……。
いまは六時間目、世界史の授業中。
わたし、浅井乃愛は、あくびをかみ殺しながら、教科書に視線を落としていた。
世界史は、正直言って苦手。カタカナが多くてなかなか覚えられない。それでも、わたしがわざわざ日本史ではなく世界史を選択したのには理由がある。それは……。
「浅井、また佐藤の方見てたな!」
「えっ!?」
ガタッ。先生に名指しされ、思わずわたしは椅子から立ち上がる。斜め前の席の佐藤虹羽がわたしの方を見てくすくすと笑っていた。クラスのみんなも「本当に乃愛は佐藤さんが好きねー」と爆笑。
曖昧に笑いながら、頬を人差し指で軽く掻く。は、はずかしい……。

