ーー(昨日)

 純世(あやせ)
 『先輩、明日から1週間も有休取ってますけど、旅行ですか?』

 ーー



部屋の窓から優羽葉(ゆうは)が見えなくなる。
私は仕事用のバッグをデスクに戻す。

鍵付きの引き出しから、
昨日受け取った荷物と、優羽葉(ゆうは)宛ての手紙を取り出す。

箱を開け、錠剤が入ったビンを取り出す。
手が震え、フタを開けたビンを床に落としてしまう。

ジャラ、ジャラ、
カラン、カラン、

床一面に錠剤が散乱する。



凜生葉(りいは)
優羽葉(ゆうは)…ごめんね…。」



私は上を向き、口を大きく開ける。
中身がいっぱいのビンを逆さまにする。

錠剤が口の中へ流れ込んでくる。

あぁ…きっともうすぐ行ける…。

5年前の優羽葉(ゆうは)と同じ方法で、
優羽葉(ゆうは)がいる世界へ…。

……。