凜生葉(りいは)の家>

凜生葉(りいは)
「あ…不在伝票…荷物のこと忘れてた。」

優羽葉(ゆうは)
『荷物届く予定だったの?ごめんね。』
『私を迎えに行って遅くなったでしょ?』

凜生葉(りいは)
「いいのいいの、晩ご飯食べた?」

優羽葉(ゆうは)
『まだ。』

凜生葉(りいは)
「作るね。適当にくつろいで。」

優羽葉(ゆうは)
『手伝わせて!』

凜生葉(りいは)
「長旅で疲れたでしょ、無理してない?」

優羽葉(ゆうは)
『してないよ、一緒にお料理したいの。』

凜生葉(りいは)
「ならお言葉に甘えて。」

トン、トン、トン、
コト、コト、コト、

包丁の音、鍋の音、楽しそうに弾む音。
いつぶりだろう?こんなに幸せなひとときは。



凜生葉(りいは)
「突然来てどうしたの?」

優羽葉(ゆうは)
『お姉ちゃんに逢いたくて来ちゃった。』

凜生葉(りいは)
「それは嬉しいけど、他には?」

優羽葉(ゆうは)
『虫の知らせ。』

凜生葉(りいは)
「なによ?虫の知らせって。」

優羽葉(ゆうは)
『お姉ちゃん、すぐ無理するから心配で。』

凜生葉(りいは)
「無理なんかしてないよ。」
「上司が残業しようが空気読まずに帰ってる。」

優羽葉(ゆうは)
『だよね(苦笑)』
『お姉ちゃん、熱中したら止まらないでしょ?』
『1度やるって決めたら突っ走るし…。』

凜生葉(りいは)
「私だってブレーキの1つくらい覚えたよ。」
優羽葉(ゆうは)は心配しすぎだって。」

優羽葉(ゆうは)
『そりゃ心配するよ、世界に1人のお姉ちゃんだもん。』

凜生葉(りいは)
「ありがと…。」