<翌日>

コンコン、

千映実(ちえみ)
優羽葉(ゆうは)ー、昨日の資料見た?』

……。

千映実(ちえみ)
優羽葉(ゆうは)、まだ寝てるの?』

……。

千映実(ちえみ)
『お寝坊さんね、優羽葉(ゆうは)ー、入るよー。』

コンコン、ガチャ

千映実(ちえみ)
『痛ッ!なにか踏んじゃった。』
『錠剤?床にこんなに散らばって…。』

……。

千映実(ちえみ)
『ねぇ優羽葉(ゆうは)、こんなに散らかしてどうしたの?』
『なんなのよ?このビンと錠剤…は…。』



優羽(ゆう)()…?優羽葉(ゆうは)?!どうしたの?!』

……。



『……優羽葉(ゆうは)が……冷たい………?』



 ー
 お母さんへ

 私はもう飛べません。
 できそこないの娘でごめんなさい。

 今まで育ててくれて感謝しています。
 けれど私はイイコじゃありません。
 だから1つだけ言わせてください。

 私はお母さんを許しません。

 私を『お人形』にしたことも。
 お姉ちゃんをないがしろにしたことも。
 私を『一人娘』と呼んだことも。

 私は一足先に行きます。
 『翼がなくても飛べる世界』へ。

 さよなら、お母さん。

 香坂 優羽葉(こうさか ゆうは)
 ー