あのね、小指に糸が絡まってたの。
真っ赤な血みたいな糸。
どこかに繋がってるみたいでね。
私、その糸を辿ってみたんだ。
曲がり角を曲がって、一本道を真っ直ぐ進んで。
坂を上って、下って。
この先に私の運命の人がいるのかな、なんて考えたりして。
でもね。
辿り着いたのは、私の家だったの。
あれ、おかしいなって思って。
今度はね、私、糸をたぐり寄せてみたの。
ぐいぐい引っ張っていったら、足元に糸の山ができちゃった。
この糸の先はどこに繋がっているのかな。
それとも、どこにも繋がってないのかな。
それって、なんだか寂しいね。



