新婚旅行江戸日和

私の頭に女性に囲まれる翠さんの顔が浮かぶ。嫌だ!嫌すぎる!私は翠さんの腕にしがみついた。

「翠さんはどんな美人にナンパされてもそっちに行かないでね。私のものだから」

「僕も同じだよ。茜は僕のものだ」

熱のこもった目で互いに見つめ合う。胸の中がドキドキして苦しいくらいだ。翠さんがフッと笑う。

「さて、これからどうしようか。神社にお参りデートにしたい?それとも買い物デートにしたい?」

「どっちも!どっちもしたい!」

買い物デートも神社へのお参りも、元の時代じゃ絶対にできない。翠さんと色んな場所へ出掛けたい。デートしたい。そんな気持ちでいっぱいになる。

「フフッ。茜はわがままだね。いいよ。色んな場所へ行こうか」

「うん!」

翠さんと並んで歩き出す。江戸デートは始まったばかり。こんなにも楽しいのは久しぶりだ。

私と翠さんの手が自然と繋がる。そして互いの指が絡み合った。