わたしとあの人のそもそもの出会いは、10年前にまで遡る。いや、あの頃はわたしは人間、彼は絵本だったから、出会いって呼んでいいか分かんないけど。
当時はお母さんがまだシングルマザーだったから、幼いわたしは随分と寂しい思いをしたものだ。いつも忙しそうなお母さんには心配かけたくなかったから、黙ってたけど、どうやらバレていたみたい。
わたしの5歳の誕生日。ひとり親家庭時代の誕生日パーティーで、1番盛大にお祝いしてもらった日だ。
普段は絶対に頼まない、宅配ピザに、お母さんの手料理の中でも、わたしが特に好きなからあげ。
2人じゃ食べきれないほどの大きなケーキも。三角の帽子を被って、クラッカーも鳴らしたっけ。
その全てがすごく嬉しくて、特別で、何年経っても、鮮明に覚えている。
次は何が起こるんだろうって目を輝かせるわたしに、なんだかそわそわした様子のお母さん。
「……気に入ってくれたらいいけど」
そう言って、少しだけぶっきらぼうに差し出されたのは、どこかの本屋のロゴが入った包み紙で綺麗にラッピングされた四角いものだった。
「これ、なぁに?」
「開けてみれば分かるわよ」
当時はお母さんがまだシングルマザーだったから、幼いわたしは随分と寂しい思いをしたものだ。いつも忙しそうなお母さんには心配かけたくなかったから、黙ってたけど、どうやらバレていたみたい。
わたしの5歳の誕生日。ひとり親家庭時代の誕生日パーティーで、1番盛大にお祝いしてもらった日だ。
普段は絶対に頼まない、宅配ピザに、お母さんの手料理の中でも、わたしが特に好きなからあげ。
2人じゃ食べきれないほどの大きなケーキも。三角の帽子を被って、クラッカーも鳴らしたっけ。
その全てがすごく嬉しくて、特別で、何年経っても、鮮明に覚えている。
次は何が起こるんだろうって目を輝かせるわたしに、なんだかそわそわした様子のお母さん。
「……気に入ってくれたらいいけど」
そう言って、少しだけぶっきらぼうに差し出されたのは、どこかの本屋のロゴが入った包み紙で綺麗にラッピングされた四角いものだった。
「これ、なぁに?」
「開けてみれば分かるわよ」



