いつか「ほんと」になれたら

 俺と咲凜が、正真正銘、ほんとの兄妹として過ごせるようになってから1か月が経った。
 我が家で居候中のエリックも、宣言通り俺を好きになってくれた。

 もちろん、友達として。
 

 昔、外国人は愛情表現がストレートだと聞いたことがあるけど、エリックも言いたいことは言ってくれる。そのせいか、無駄に気を遣うこともなくて、心から居心地がいいと思える。
 

 俺はずっと、幼い頃から()()()()の価値、居場所を探し続けてきた。
 そしてそれは、世界のどこにもないものだと思い込んでいた。

 だって、咲凜にはエリックがいる。父さんには母さんがいる。
 俺の大切な人たちにはいつだって、他にたった1人の大切な人がいた。