いつか「ほんと」になれたら

◇◇◇

 沢山いた招待客たちも帰って、咲凜と2人きり。 
 僕たちは、片付けをしながら雑談していた。

 誕生日会の主役に後片付けをさせるなんて、とも思ったけど、咲凜が僕ともう少し一緒にいたいと望んでくれたのだ。そう言われた時は、本当に心臓が止まるかと思った。


「そういえば、エリック」
「どうしたの?」
「わたしたちが初めて会ったのって、10年前の今日だったね」


 普通ならきっと、忘れてしまうであろう些細な記念日。
 それを当たり前のように覚えていてくれる咲凜が、大好きだ。