いつか「ほんと」になれたら


 この前、そんな感じの小説を読んでしまったせいかな。

 
「ごめん。そんなつもりなかったんだけど」
「たまーに、これで死んじゃうキャラとかいるからね? …エリックは死なないよね?」
「当たり前だよ。僕はいつか、咲凜の旦那さんにもなる予定だから」


 わたしの心配も全部晴らしてしまうような、温かいエリックの言葉が好き。 
 これからも、この先も、増えていく喜びの中で生きていく未来を簡単に想像できる。

 それで、わたしは会話をするだけで、目が合うだけでエリックをこれ以上ないくらいに好きになる。
 包まれた手を、わたしも繋ぎ返す。


 近づいてきた、大好きな空色の瞳には、同じ世界でわたしが映っている。


 

 絵本の中から飛び出してきても、エリックは出会った日から、ずっとわたしだけの王子様だ。