いつか「ほんと」になれたら

 
「あ、燐人くん。ごめん」
「あ、お兄ちゃん。ごめん」
「…それだ」


 僕がチラつかせたヒントに、燐人は食いついてくれた。
 良かった。上手くいった。

 おそらくこれで、燐人が僕のライバルとなることはもうないだろう。
 咲凜の気掛かりと、恋敵を同時に減らすことが出来たなんて、正しく一石二鳥だ。
 今日の僕は、相当運がいいらしい。
 
 
「咲凜、ちょっとお願いがあって」
「う、うん」
「俺のこと、“お兄ちゃん”って呼んでみてくれない? さっきのエリックみたいに」