いつか「ほんと」になれたら


「咲凜は…、俺が父さんと母さんに、何かあったら咲凜を守るように言われてきたの知ってる?」
「知ら、ない」
「俺はね、咲凜。世界で自分だけの居場所が、役割がずっと欲しかった」


 居場所くらい、どこにでもある。
 僕は燐人のことは詳しく知らないけど、咲凜は燐人にとって居場所じゃなかったのか。

 自分で気づけていないだけで、必要としてくれる人は沢山いる。
 
 
 咲凜も思っているであろうことを口にしようとして、やっぱりやめた。
 いつか、その言葉をくれた誰かが、燐人を幸せにしてくれると思うから。