いつか「ほんと」になれたら



 違う。燐人のいない数日間、咲凜を隣で見てきた僕が保証する。
 咲凜は、燐人に「おかえり」って返して欲しかっただけなんだ。

 決して、僕を紹介するため“()()”に来た訳じゃない。


「違うよ。わたしは、」
「違わないでしょ。どうせ、エリックがいるから帰って来ようと思ったんじゃないの?」
「わたしは燐人くんと仲直りがしたかったの!」
「え?」


 咲凜の切実な叫びに、燐人が戸惑った声を上げる。
 そもそも燐人は、自分たちが喧嘩してしたことにすら気づいていなかったんじゃないかと思っている。

 やっぱり燐人もこういうところは咲凜と兄妹というべきか、とてつもなく鈍い。