いつか「ほんと」になれたら

 初めて見る咲凜の家の重たいドア。その前に立つ咲凜は小さく震えている。
 まぁ、そうだよね。すごく怖いよね。
 
 だって咲凜は、自分を嫌っているかのような態度を取る相手と、これから仲直りしようとしているんだから。
 咲凜は時々、その明るい笑顔からは想像もできないくらいの心の強さを見せる時がある。
 
 
 そういうところも眩しくて好きだけど、咲凜が困った時には僕が支えたい。そのために、この世界に来たんだ。
 
 その不安を少しでも和らげたくて、僕は咲凜の手をそっと握った。

 
「咲凜。僕がついてるよ」