いつか「ほんと」になれたら


「あ、燐人くん。ごめん」
「あ、お兄ちゃん。ごめん」 
「…それだ」


 ふざけてわたしの口調を真似したエリックの言葉に、燐人くんはなぜか目を輝かせた。
 

「咲凜、ちょっとお願いがあって」
「う、うん」


 いつもの冷静な燐人くんとは違う、食い気味な様子にびっくりしてしまう。
 思わず後ずさりしてしまったわたしには気づかずに、燐人くんは話し続ける。

 
「俺のこと、“お兄ちゃん”って呼んでみてくれない? さっきのエリックみたいに」 
「……お兄ちゃん」