「俺はね、咲凜。世界で自分だけの居場所が、役割がずっと欲しかった」
これもまた、わたしにとっては初めて知ることだった。
芽蕗ちゃんも言っていた通り、燐人くんはいつも大勢の人に囲まれているって思っていたから。
「困難も自分の力で跳ね除けてしまう咲凜も、そんな咲凜に頼られるエリックも羨ましかったんだ」
わたしは、燐人くんが言ってくれるみたいに強くない。
迫りくるワークの提出日に怯えて、心の支えだったエリックを避けて。
それに、寧ろ羨ましかったのはわたしの方だ。
誰にでも優しくて、愛想もよくて、勉強もお菓子作りも何でもできて。
裏で努力しているのは知っていたけど、それでも不器用なわたしとは違う、燐人くんを尊敬していた。
きっとエリックも、わたしと同じはず。だって燐人くんは、それくらい輝いている人だから。



