「ほら、早く!!」
「どこに行くつもり?」
「あなたのいもうとを、たすけに行かないと」
激しい雨が降っていたあの日、えみりーを助けるために燐人先輩のクラスに押しかけたことを今でも覚えている。
うちよりも少し大きい手を引っ張って、えみりーの居る場所まで無理やり案内した。
「でも、俺が行ったら迷惑なんじゃ」
「ぜったいに、だいじょうぶ! うちがやくそくするから」
強制的に連れて行ってしまったことは申し訳ないとは思っているけど、それでも後悔はしていない。
だって、燐人先輩は少しだけ奥手なのだ。
うちが連行しなければ、えみりーはそのまま放置されていた。
だからこそうちは、もどかしい燐人先輩についつい助け舟を出してしまう。



